アーリー

ムーラン・ルージュのアーリーのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
5.0
とてつもないエネルギーに溢れた作品。監督らしさが存分に味わえる。ここまでされたらこのスコア付けるしかないみたいな、勢いで持っていかれる映画やった。

元々ミュージカルの演出家として出てきたバズ・ラーマン。ただ今作は普通(俺が今まで観てきた中で)のミュージカル映画とは一線を画す。特に前半はギャグ映画。ずっとハイテンションで笑けてくるし、キャストたちも熱演を超えてもはや怪演。ニコール・キッドマンのあの感じ初めてみた。冷静に考えたらキャラたちが会話の中でいきなり歌い出すのは変やけど、それこそがミュージカルの醍醐味でそういうものと割り切れる。けど今作の前半に限ってはその仕組みがもうギャグにしか見えない。
なのに今作は悲劇で終わる。喜劇と悲劇の両立が上手いというか、そのギャップが全然気にならない。その場面場面の一番伝えたい雰囲気とかキャラたちの感情を、あますことなく引き出して表現してるからこそ、こちら側はしっかり入り込めるんかな。
一本道のストーリーをゆっくりじっくり観るのではなく、ジェットコースターに乗って話の断片を見せつけられる感じ。なのにその断片それぞれが独立してて、まとまりがないとは思わない。なんでかはわからんけど。

映像として観ても圧巻すぎる。派手な色使いに豪華な装飾。前作「ロミオ〜」よりも華やかで、監督が好き放題やってるなと感じる。この人には舞台設定なんてほとんど関係ないのかも。結局どの時代どの場所であっても自分色に染め上げてしまう。

とにかく勢いとエネルギーがすごい作品。久しぶりに終始圧倒された。
アーリー

アーリー