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ザ・ホエールのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.5
過去に恋人だったボーイフレンドを失い、過食症になったチャーリーはもうまーごめとか言ってる場合じゃないウェイトになってしまったが、数年前に置き去りにした娘と再会し、最後に何か伝えたい話。

ダーレン監督作品一連見てきて良かった。いやー、グッときたねー。ダーレン作品で一番好きだったかも。登場人物少ないけど、一人一人にしっかりとした味がある。あらすじは「いや、どうなの?」と突き放してしまいがちなところではあるけれど、人生の数奇さと難しさと脆弱さが詰まった作品だと思います。勝手で自業自得なんだけど、本来生きるってこれくらいどうにもならないものだと思いませんか?と問いかけられたような。人間が暗に抱える問題て、実はこれくらい複雑なんだよ、て具現化されて、思い当たる節がないことはない...とさっき平らげた一袋のカラムーチョを自戒した次第です。

あまり過去の回想をこちらに押し付けず、どういう事実があったのかは個々人で補完する展開て、日本人結構苦手じゃなかろうか。そのスキルが試されるし、養わされる映画ですね。ガチガチの文系作品。涙が押し寄せるその瞬間にスッとこちらを引き離す名人芸だった。これ今年見たのでベスト5は入るね。

ハムナプトラでお馴染みのブレンダン・フレイザーが様々な問題を超えてカムバックし、この迫真の演技。アカデミー主演も納得です。あの宣教師の子、アイアンマン3のあの子か!立派になったねえ。
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