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ハッチング―孵化―のHKのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.7
少女が森で拾った鳥の卵を育てると卵はどんどん大きくなり、孵ったのは・・・というお話ですが、ジャケ写からメルヘンチックなブラック・コメディを連想していたら、思ったよりストレートでダークなホラーでした。

私の印象としてはフィンランド版「ウルトラQ」といったところ。
少年が不思議な繭を拾って育てる「カネゴンの繭」、野生の鳥を育てると巨大化する「鳥を見た」、女の子の分身が無意識の中で事件を起こす「悪魔っ子」なんかと、ちょっと似た要素を感じました。

話の大筋にとくに目新しさはないものの、一歩間違えばただのスプラッタ・ホラーにもなりえるところ、ギリギリで踏みとどまって印象的な作品になっています。
孵化からの“それ”の成長の過程にも工夫が感じられ、他作品の二番煎じで終わっていません。
とくに主人公の少女の演技力と、女性監督による女性目線が大きな特徴だと思います。

他にも、主人公の守護的な存在、でも制御できなくなり、やがて邪魔に・・・などの展開はこれまでにも山ほどの作品がありますが、本作はありがちなB級ホラーに陥ることなく、独特なイメージ作りに成功しているように思います。
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