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NOPE/ノープの10000lyfhのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

人を襲い食する凶暴な飛行生物の撮影を目論む、牧場経営の兄妹。新しい要素を付加しつつもクラシカルで洗練された Sci-fi /モンスター映画だが、端的にそれほど面白くなく、また、これは製作陣の意図ではないかとすら思うが、没入もできなかった。単に対象(モンスターのみならず人々も)に距離を置いているとか、斜めから見ているとかだけでなく、宇宙人のマスクを被った子供たちやカメラに映るカマキリといった「はぐらかし」や、モンスターが中盤まで明瞭に姿を現さない「じらし」や、浅くも深くも見える人間関係の「曖昧さ」が、私のテンションを興味津々と退屈の間に保った。これは初期スピルバーグ作品に通ずる感覚だが、あの異質な作風を 2020年代の今に再生することが、監督のやりたかったことのように思う。劇伴のマイケルエイブルズは、ハリウッド正統派オケに近現代の特殊奏法を取り入れ、ゴランソンと共に新世代の到来を感じさせる。サウンドデザインが重要な役割を果たしていそうで、その点で劇場で観たかった
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