生きようと思って生きているわけじゃない
生きてるから生きているだけ
マスクも外せない世の中は息が詰まりそうだけど
ここで生きているから ずっとここに居るだけ
俺は変わってないのに周りが変わっていくだけ
君が感じた揺れは何かが変わる瞬間だった
新しい人生を迎えよう
新しい自分を受け入れよう
新しい世界を見渡そう
何が本当か分からない世の中だけど
過去なんが置き去りにして
変わらないものなんて腐らせておけばいいんだ
感想です。
わりかし序盤で、これはダメだわと察知し予感的中。ダメだわポイントは本当に些細なことなんですが、社長の車がレンタカーだったことでした。
見間違いでなければナンバープレートに「わ」と書いてあって、「ナンバープレート映らんように上手に撮れや!」というインナークレイマーが開始早々に騒ぎ始めました。社長の車が再登場することがなかったので、本当に「わ」ナンバーだったか確信が持てていませんが、社長は車をちゃんと所有しといてよという思いが駆け巡り、開始早々リアリティラインが崩壊しました。意図的に崩すポイントがあるんだから、そこまでは保たせてほしいですよね。
更なるノイズとして、あの家族の電球問題。そのくらい家庭に興味がないことのメタファーなのかもしれませんが、だったら電球自分で買ってこいよとしか言えないブーメラン具合。警察署から帰ろうとする車中の会話も特大ブーメランで、こいつブーメラン名人だなと、最近の外気温に反比例した冷ややかな感情しか湧きませんでした。これもきっと意図的なのでしょうけれど、子供が可哀想すぎて、あの両親が嫌いだという感情一色です。
あんなへっぽこパンチでどうにもならんやろということに始まり、いつスマホ割れたよ?、女性だけ地震に気づくの何なん?、おしっこシーンが多いの何なん?、そもそもいろんなことの動機がわからん・・・とか、もう全部わからない。ニューライフデザイン研究所くらい理解できない。
主人公がマスクを外したのは何故で、最終的に寓話感を前面に出したかったんだとは察しますが、全く良い手法だとは思えませんでした。
そもそも金がないはずなのに、変装の手段として選択するアレには、どうしようもねえなこの映画と思わせる負のパワーがありました。
個人的に今年ワースト候補です。