藻類デスモデスムス属

夜を走るの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

夜を走る(2021年製作の映画)
4.5
エンディングにて、なぜかROMAをみたあとに似た(何度調べても使い方がぴんとこない)カタルシスを覚えるという、驚異だった。クラフトコーラを飲みながらみて正解だった。これ考えた奴やべえな、と思った(ちらっとみたインタビュー記事では、真っ当にいろいろ語っていたので、案外ふつう?の人なのかと考え直したが)。大筋としては、ありそうなことが起きている(と思う)。重苦しく垂れこめた曇天をみあげ、絶対雨が降るなと思えば、案の定雨が降り始める。ただ、その雨がビシビシくる大粒だった。また、ひとつひとつの雨粒をみることは、予想の射程外のことであって、一寸先、例えば倒れてからどうするのかというのはありそうなことを考えることではないからこそ、「ああ倒れたら、ああ起き上がるよな」みたいな納得感が随所にあるのがきもちよかった。夜に走るでも、朝に走るでもなく、夜を走る。向きではなく、夜は場であり、夜を走るは力そのものという感じがする。それも怪力だ。劣後をどうするのかという場の力だ。