藻類デスモデスムス属

真夜中乙女戦争の藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

真夜中乙女戦争(2021年製作の映画)
3.5



たぶん京王線でいける、奥東京。都会のオアシスというよりかは、都会がオアシスという感じのする、ビルと緑と水泳の街。低層住居や公園は大体取ってかわられていて、展望デッキからは負けたくないという気持ちを長方形プールを使って空間表現したらこうなるのかもしれないと思わせるような眺め。この青い土地でみかける鳥は、カラスでもすずめでもなくセキレイばかり。道路に流れる車は決まってシルバーで、アースノーマットはみんな豚の形のを持っている。スロットマシーンで妙に揃ってしまったようなとこがあるけれど、それがアタリだったのか別のなにかだったのかはうやむやにされ生身の記憶には残っていないそうだ。粘り勝ちってやつなのかな。同じ車種が続いて通り過ぎると、どんな関係なんだろうとつい考えてしまう。全く赤の他人となぜか思えなくて、同じ車を持つほど二人は仲良しなのだとか、姉夫婦と弟夫婦が同じ車を二台持っているのだとか、そんな風な想像をしてしまう。それですぐ先の交差点で別れると、関係なかったのかと思うよね。もう夏も終わるけれど、夏にプールといえばビンゴ大会。ラコステのビンゴカード、真ん中のわにのマークを指で押し開け競技開始。ビンゴの者が「びんごぉ」と低い声で進み出ると「天才かよ」という野次がとぶ。確かに天才も増えていて、人の体でいえば肩のあたり、赤銅色の骨組みが剥き出しになって覗いている。たくさんの失望では、わたしはあなたの反射区だとか、そんなコンテンツの話をしていたかったというのが、流行りのりんご主義。光ってみて。