"久しぶり…変わったな…20年たつのよ…君は今…幸せか?…"
自らの余命を知ったドンは、疎遠になっていた兄チュンを旅に誘う…そこは日本の町"ヤナガワ"…その町には兄弟にとって忘れる事の出来ない女性がいた…20年前、突然二人の前からいなくなってしまった人…その人の名前は、町の名前"柳川"と同じ"リウ・チュアン"…
日本のベニスとも言われる川の町"柳川"を舞台に、中国人兄弟と運命の女性を巡る余韻たっぷりの会話劇。
川の流れは美しく、そして何より穏やか…でも決して後戻りは出来ない…そう、それは人生と同じ…
兄チュン、かつてその恋人であったチュアン、弟ドンの微妙な関係性が会話の中で絶妙なアンサンブルを見せていまして、美しい柳川の風景と相まって、まったりとした時間を過ごすことが出来ました。
不思議な宿の若主人を池松壮亮が"ふわぁっ"とした感じで演じ、若主人もチュアンに気がある感じなので四角関係になるのかと観ていましたが、物語に絡みそうで絡まないようで…なんだか中途半端に感じ、このキャラの存在がややウザく感じてしまったのはちょっと残念です。
横スクロールで動くカメラが映し出す川の景色はただただ美しく、そして静か…穏やかな正月にピッタリの作品だったかもしれません。