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夕陽のガンマン 4K復元版のsymaxのレビュー・感想・評価

3.9
"…どうも皆さん賞金がたんまり付いているようなんで次の仕事にはついて行って、保安官が居たら…引き渡そうと思って…"

極悪非道な悪党インディオが脱獄した…インディオの首には賞金1万ドルが付いたのだ…

インディオ一家を狙う賞金稼ぎモンコの前に、老獪な凄腕の賞金稼ぎモーティマー大佐が現れる…いわば商売敵の関係である二人だったが、インディオ一家を相手にするには得策とモンコは渋々大佐との共闘を承諾することに…

インディオ一家の内からモンコ、外からは大佐で挟み撃ちの作戦を練るが、大佐にはある別の目的もあったのだ…

"ドル三部作"4K修復版2本目にして、セルジオ・レオーネ監督作の中で、私が最も好きな作品…

素敵なポンチョ姿のイーストウッドと眼光鋭く、燻銀の渋さで魅せるリー・ヴァン・クリーフがタッグを組む事で面白さ倍増な訳です。

今作でのヴィランであるインディオは、かなり凶悪でサイコパス…そんなインディオをジャン・マリア・ヴォロンテが恍惚の表情で演じ、本作の魅力を更に高めています。

"荒野の用心棒"の世界的大ヒットを受け作られていますので、おそらく予算が格段に増えたのでしょう、セットの作り込みが凄く、格段の出来の良さ…レオーネ監督による構図と間の撮り方は更に研ぎ澄まされ、本作も絶対に劇場鑑賞すべき一本であります。

ラストの決闘シーンで流れるエンニオ・モリコーネの旋律は素晴らしすぎて堪りません…よーく聞くと"必殺仕事人"で仕事のシーンで流れるあのトランペットの旋律に似ている…というか、"必殺仕事人"が本作の影響をかなり受けている事を確認した次第なのです。

"荒野の用心棒"のレビューでも書きましたが、是非、若い世代の方々に"劇場"で鑑賞して頂きたい一本…というか、今回の"ドル三部作"4K修正は凄い企画ですから、三本とも鑑賞しなさい!…私?当然、三本共鑑賞予定なのです。
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