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荒野の用心棒 4K復元版のsymaxのレビュー・感想・評価

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)
3.8
"バクスターが向こう、こっちがロホス…俺は真ん中だ…"

メキシコとアメリカの国境の町サン・ミゲルにやって来た流れ者のガンマン・ジョー…その町は、悪徳保安官のバクスター一家と悪党ロホス一家の二大勢力が縄張り争いをする棺桶屋だけが儲かる町…

"真ん中の男"であるジョーは、その目的を果たすため、手始めにバクスターの子分を早撃ちで倒し、その腕を買われてロホスに雇われるのだが…

マカロニ・ウェスタン(欧米風に言うとスパゲッティ・ウェスタン)の名作が、"ドル三部作"として4Kで復活…

TVでは何度も観てきましたが、劇場では初…しかも画質も音も最高な状態であり…いや、もう最高のカッコ良さであります。

セルジオ・レオーネ監督の凄さは、その構図…
その絶妙な間合いは、TVサイズてはなく、劇場のスクリーンでしか味わえないモノである事を改めて感じたのでした。

兎に角、クリント・イーストウッドのカッコ良さに痺れてしまいます…あのポンチョ姿…公式ホームページには、"宇宙一の着こなし"と絶賛されていましたが…確かにその言葉に嘘はありません。

舐めるようなカメラワークで足先から、暑い男たちのギラギラした顔のアップの上、イヤっていう程"タメ"をつくっての早撃ち…乾いた銃声…

今観てもその面白さは全く色褪せる事はありません…更に、エンニオ・モリコーネの音楽が作品を盛り上げています。

監督と役者、そして音楽が三位一体となった傑作と言えるでしょう…

本作は、黒澤明監督の"用心棒"を無断でパクった事は有名な話なのですが、"バック・トウ・ザ・フューチャー"の三作目では、本作をまんまパクったシーンもある程、後に多大な影響を与えた作品であります…という事は、オリジナルを作った黒澤明監督が凄いということになるのではないでしょうか?

客層は、やや平均年齢高めでありましたが、せっかくの4Kで画質も音も最高ですので、このチャンスに、10代20代の若い世代にこそ、この名作を観て欲しい…それも劇場で…おぢさんである私は、切にそう思うのです…
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