kalinda

セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのkalindaのレビュー・感想・評価

4.0
第20回
ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル 
グランプリ作品



「ボンヤリしないで。
うつむいて自分の靴を眺めている間に
大切な時間は過ぎて行くわ。」(カティア)


初めて観るモンゴル作品。

草原、お相撲さん、
スーホの白い馬←教科書に載ってましたよね。
くらいしか知らない国、モンゴル。
高層ビル、アダルトショップ、
思ってた以上に街やった。

サロールの成長が描かれている。
無気力で無表情、
もっさりしている大学生が、
少しずつ表情豊かになってくる。
アダルトショップのオーナーのカティア。
なんとも言えない妖艶な雰囲気。
オトナの女性。

2人の関係性が良い。
自分の知らない世界を教えてくれるカティア。
カティアが素敵なことをたくさん言っている。

アダルトショップは薬局。
あー、たしかにね。
日本じゃまだまだムリやろなぁ。
海外では普通に店舗が
しれっとあるところもあるらしい。
日本もそうなればええのにね。


序盤のバナナのシーンや
全体的に大胆な演出も結構好き。

サロールのヘッドフォンから
バンドの曲が流れてくる。
その時の映像の色使いが凄く好み。

パンフには少し前まで
社会主義国やった様々な国内事情が
わかりやすく書かれており、
ストーリーをより深く知れた。
何気なく観ていたシーン、
バナナも大きなヘッドフォンも
監督さん曰くちゃんと意味があった。

モンゴルのこと全然知らんかったなぁ…。

幼馴染とのあるシーンは
笑ったし、とても微笑ましい。

カティアの言葉には頷くことが多い。
ボーッとしてたらアカンなぁ。
ちゃんと生きよう。
自分の好きなことをしよう。


清々しく笑顔になる作品でした。

オススメです。
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