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笑いのカイブツのkalindaのレビュー・感想・評価

笑いのカイブツ(2023年製作の映画)
4.2
「お笑いってそん時の誰かの糧になればいい」 西寺

「笑った方がええで……おかんも」 ツチヤ


苦しいよなぁ
なんぼ頑張っても
誰にも評価されへん…
その頑張ってることも数値化でけへん
何が正しいんかわからへん
せやけど頑張る…

お笑い、音楽、映画などのエンタメ、
とても大切なこと
心を穏やかに潤してくれたり
勇気づけられたりする
ほんまにありがたい

せやけど実際にその世界にいる側の人は
えげつない戦いがあるんよね
それをこちら側に見せないようにしてはる
ほんまに凄い世界…
壊れてしまう人もいるしね

お仕事としてその業界やなくても
その感情を日常でも感じたことがある人は
自分も含め多いんちゃうかな…

ツチヤさん(岡山天音)も
周囲からは変な人と思われていたし…
その脅威の姿を岡山天音さんが
凄まじいエネルギーで演じてはった
凄かった…

苦しくて苦しくてもがいて…
そんな時にそばで、聞いてくれる、
共感してくれる人がいたから
苦しみながらも生きてはったんやろね
あのシーンほんま良かったな…

チャラチャラした雰囲気の
ピンク(菅田将暉)が またええこと言うねん
西寺さん(仲野大賀)も ええ人
岡山天音さん、菅田将暉さん、大賀さん、
これからの日本の映画界が楽しみになる


パンフの監督インタビュー
監督さんが中学生時代に聞いてはったラジオ
関西ローカルの番組
同じのんを当時 中高生の私も聞いていた
芸人さんのラジオ、
周りに誰も聞いてる人がおれへんかったけどね
なんかちょっと嬉しかった

西寺さんが言うてたセリフ
ほんまにそう。
お笑いはやエンタメは生きる糧になる

楽しいばかりの現実やなくても
それでもクスッと笑えたら、
一瞬でも笑顔になるし幸せになるんちゃうかな…
一瞬だけでもね。

今回 共同脚本を担当
朝ドラ「ブギウギ」 映画「百円の恋」の
脚本をされてる #足立紳 さん
足立さんがよく仰っている
“人の綺麗じゃないどうしようもないという
ところを描く“ という特長が
今回も充分に描かれていた

フィクションやから綺麗なとこばかりでも
良いかもしれへんけど、
こういう人間らしい
塞ぎたくなるような部分を
描いている作品が私は好きやな

M-1チャンピオン 令和ロマンさんが
漫才指導された
ベーコンズの漫才も間が絶妙でお見事

「人間関係不得意」
ツチヤさんが、自分のことを曝け出した小説
笑いというタイトルですが
笑えないストーリー
クスッと笑えるとこはアリ
好みが分かれると思います
見応えあり、私は好きな作品でした
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