どーもキューブ

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4K リマスター版のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ロメロの1968年生ける屍の夜

 
1968年
脚本ジョン・A・ロッソ
監督ジョージ・A・ロメロ



元来、本来、もともとホラー映画から映画が好きになった。ほぼホラー映画を劇場で見たことない世代。

みんなテレビ放送、ビデオ、レーザーディスクだった。劇場でホラー映画は、もはやB級やら意志あるビデオ会社達の発売される見知らぬ何かの関連作やらビデオ広告でみていたものぐらいしか見れない。大画面でホラーを見る体験が少なかった。

「ゾンビ」が劇場で見れたあの体験はよかった。毎年上映希望。

本作は、「死霊のえじき」、「ゾンビ」と体感。白黒だからあんまり怖くないとふんでいた。確かダビングしてたんで学生の時か?あんまり見返したりしなかった?怖くないという理由だった。あとグロが少ないからだった。赤色のCICビクターのビデオだったきがする。

他最新作は、劇場ですべてみました。
久しぶりのロメロゾンビ、有名人出演のアクションゾンビ映画「ランドオブザデッド」

遺作の最終ゾンビの進化系、ゾンビが学習し、 共生する「サバイバルオブザデッド」

ロメロゾンビをサビィーニ監督がゾンビを魅せ、ヒロインを女性にしてリメイクした作品。

ロメロは、ゾンビだけじゃない。ホラー映画をしっかり極めた映画監督である。

動物実験から動物逆襲物の傑作「モンキーシャイン」その他多数あり。

「死霊のえじき」は思い入れあり再鑑賞してからレビューしたい。

本作は、リメイクされたし、カラー版も出来て、まさしく「ゾンビ」映画の始祖的要素を帯びた。他「ゾンビ」たる映画は、1930年代から存在しているらしい。未見作多数、ブゥードゥ系ゾンビ、吸血ゾンビ、死体と歩いた蘇生系とかとかあるのも知ってる。

音声解説付きが欲しかったので、ようやくゲッツしたやつDEX版DVDでした。ロメロがしゃべるやつ。

ロメロゾンビの元祖、DVDも持っているけど見に行ってきたあ!
シネウインドにて鑑賞してきた。



こんなに絶望的なお話だったっけぇ!ラストのラストが一番残酷!といういつもながらすんだような高画質のレストア具合。昔とは違う鑑賞後の感慨。ゾンビよりも極めて家の中でいがみあい揉めあう人達のドラマに目をみはった。

家に帰宅してから、音声解説を少しきいた。また参考資料ゾンビ本をみてみた。

ひとカットひとカットこだわりまくったアクションカット。
CMの仕事をしながら製作したロメロの堅実ぶり、着実ぶり

カラーだと製作費がかさむための白黒選択。

スタッフで出演するゾンビたち。ロメロの楽しみながらスタッフと音声解説をしていた。



みながら、みんなどうなるんだけっ?と思っていた。

子供ゾンビが初ロメロでいたなんて予想だにしてなかった。今や最初の子供ゾンビとして有名になり、小道具や家具はオークションで売られ、ファンイベントが不定期開催される愛好映画になったのだ。

本作の出演者の演技の素晴らしいこと。

ブロンドのダウナーのショック娘。トレンチコートは、2着用意したとのこと。

墓参りにきて、兄貴を失い、呆然自失な発言をする、かわいそうな役どころ。元気なんてない女性なのだ。

脚本家のジョンロッソから、へたしたらファーストゾンビは、ロメロ自身がやる予定だったとか、、。

どうゾンビを歩かせるか?とか、知恵をつかい、石を使ったりとかは、ロメロ発案だった。

ロメロのゾンビ姿もあんまり面白ゾンビはなし。半裸とか、お洒落ゾンビは、次作「ゾンビ」から決定打となる。

ファンの間では有名だが「ゾンビ」の権利を保持したり、金をよこさず、作りやすい状況にしたのは、有名なお話。まあ多分ここまで、ホラー映画として貢献する作品になると思ってなかったのかも!?と推測。

みた印象は、正直やはりホラー映画にはみえない。西部劇のよう。西部劇は、かなり意識している気がする。ここは、同じく西部劇ファンのホラー御大、ジョンカーペンター監督にもいえること。

登場人物が強力協力していくハッピー感を次々と失敗していくのも本作のキーポイント。まるで駄目。そして生き延びるのは、テレビのなかの人達のみ。


ラスト付近の緊張感とともに、話し合われたなにもかもが崩壊する素晴らしい案配。緊張がすべて木々を突破し、のらりくらりと歩きまわるゾンビに浸食される様をみながら、負の絶望感を感じるのは、ロメロゾンビ劇の醍醐味!!

見終えたら、ポスター、Tシャツを売ってるとのことで、悲鳴をあげて購入。Tシャツは、(XLが売ってた!!)出来が良すぎて最高!原信(地元スーパーの名前だ「ハラシン」)で、すぐ着ました(笑)(典型的な映画ばか)

みた当初は、ゴアが少なく、ロメロの映画的堅実で、普通な出来に納得していた。ホラー要素より、スリラーアクションにみえた。ホラー映画というよりニューシネマに見えたのだ。

だがしかし素晴らしいホラー映画だったなー。怖くないし、人肉食べるゴアもブラックアンドホワイトで可愛らしいくらいだ。

ロメロが込めたメッセージを考えると、。
メディアをこめた権力者の描きこみ
のち論争ネタになる黒人主人公とレイシズム
家庭不和と子供の関係性
協力、非協力、不和、閉鎖性

あまりにも素晴らしい脚本と演出でうなりまくる。ゴアなしにロメロの好きな西部劇の下地。  

ゾンビは親類、家族、大人子供関係ない。

生ける屍なのだ!どこまでも。
ロメロな描いて広めた「グールー」であり、怪物ものの1作を撮りあげたのだ。

ラスト、なにもない黒人主人公が、針のような金物で処理される怖さ。写真的止め画像で想像力をかき立てられた。





さて
ジョージAロメロの生けるしかばねの夜
ロメロゾンビのスタート

ぜひ!


フィルマークス追記
ホラー映画は、旧作特になかなか劇場にかからない為本当に劇場鑑賞が難しい。
できればロメロ「ゾンビ」なんて
ダリオ・アルジェント版
米国劇場版
ジョージAロメロ版
の3種全部劇場でみたい!(権利費高騰により不可能だと思うが、。)

最初みたときのようにニューシネマにもみえるのだ。ゾンビ映画というより、隔離された家でアメリカ人が喧嘩して、あげくにゾンビにやられる映画だ。

カーペンターの「要塞警察」とかみながら思い出した。ちなみに要塞警察の元ネタは、ハワードホークスの「リオブラボー」とカーペンター様が言っていた。元ネタというか影響あり映画だが、。

閉鎖的空間で戦う、ホラーの基本的あるある設定。

ロメロがホラーというか社会学的な感じ、硬派な作りに見えるのは、のちの青年視点吸血鬼「マーティン」やらまさしくアウトブレイク物の元祖的細菌パニック「クレイジーズ」でも証明されている。

ゾンビ一辺倒じゃなく、ホラー映画の要素を通して、社会、政治、貧富などしっかり、きっちり映画内メディア、マスコミ通じて世俗表現を行ってきたのだ。

ナイトオブザリビングデッドを見直してみて、出て来る悩み大き人間たち、不和で臆病で、見過ごし、言うこときかずに、平手うちしまくる男と女たちは、生けるしかばねの前では、なにも意味はなさず、ただ食われるのみなのだ。

1作めにしてやはり素晴らしいものを作ってたんだなーと改めて尊敬し直したロメロファーストゾンビ体験だった。

蛇足追記2
ナアイ~ト
デゲェデゲェデエエエン
オブザ
リビングデッドォッ!
あの予告編YouTubeで
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ロメロの初期予告編は、ものすごく好き。完成度高いっすよね!「マーティン」のあの血のしたたる赤い血の新鮮さ!
大好きな予告編です!
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