イベリー子豚

EO イーオーのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

EO イーオー(2022年製作の映画)
3.9
「これは新感覚型
『【ドンキー】・ホーテの冒険』……なのか?」
「『100万回生きたロバ』(実は6頭)」
「少なめの会話劇を補って余りある
縦横無尽な【スクリーンサイズとカメラアングル】」
「人語を介さないハズの【動物の表情が雄弁】すぎ」
「人間の事情は特に言及せず
あくまで【EO】の見ている世界の全ての物語」
「考察すら受け付けない
圧倒的な【反・食肉&動物虐待】メッセージ」
「【明滅反応多め】、油断なきよう」
「《俺とロバ、どっちを選ぶんだ?》」
「《勝利のロバだ!!》」
「《ポーランドのメシもあるぞ?……あとセックスもどう??……イヤ冗談だって!!……またこれかよ……》」
「《俺は今までたくさんの肉を食ってきた。
ロバ肉のサラミの味を知りたいか??》」
「後味の悪さもさることながら
風光明媚なロケーションも桁違い……
あ、オマケはありませんです、ハイ」




始まりは
『アレックス-STRAIGHT CUT』かな?と
思わせる真紅のスタートダッシュ。


サーカス小屋にスクラップ工場、
農場、サッカーリーグ(?)を転々とし
フォックス・キャッチャー、4足歩行ロボット、
果てはアレンデール王国ですか。


情報量は少なくても
メッセージとセンスは極盛り爆のせ。


セリフのない動物たちの芝居と
それを追うカメラがエゲツない。


正直、『LAMB』より濃いんじゃない??

こりゃ
来るべき時代で
巨人に容赦なく喰われることがあっても
人間に抗議する権利はないですね。


てっきり
「美女との官能的な禁忌が観られたりするのかしら?」なんて
「長距離ドライバー」的(コラっ!)ヨコシマな
目論見も的外れ。


でぇベテランの描きあげた
欲望と皮肉の渦巻く現代社会の『ドナドナ』は
そんな生易しいモンちゃいましたわ。