ぬ

逆転のトライアングルのぬのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.8
冒頭のバレンシアガ、H&M、バレンシアガ、H&M…からして笑う、わかる…嫌味だな〜それがいいんだけど。

少し惜しいと思ったのは、上流階級の軽薄さや滑稽さを描くことに重点を置きすぎているところ。
下流階級がいかに搾取されてるかというところにも、同じとは言わずとももう少し熱量を持ってフォーカスしてほしかった。

己がアホみたいにたらふく食らった飯や酒で溺れ死ぬ資本家の滑稽さを笑う映画ではなく、観ている者を「うわー、金持ちバカにしようと思ってみたけど、これ自分じゃん…笑うに笑えん…」という気まずさに引きずり落とすくらいの皮肉がほしかった。
上流階級とは言えない、末端で生きてる私達ですら、さらに自分たちより困窮している人たちを搾取しているということを突きつけるくらいのこと、できる監督だと思うので、それくらい求めてしまいました。

アビゲイル見てひどい!とか思うかもだけど、たぶんあのメンバーの中で、一番トライアングルトップに君臨して悲惨にならないのがアビゲイルだとは思う。

政治的意見に関しては、完全に船長側に同意してしまいました、私も十分皮肉られる側です、わかっとるわい。

カールとヤヤのブランド化されたカップル像の話、これまたスウェーデンの方なのですがリーヴ・ストロームクヴィストの『21世紀の恋愛』というコミックを彷彿とさせる内容であった。

カール役の人、ただただ見た目がいいだけの役だけど、その役がめちゃめちゃうまい、演技上手いな〜
しょうもないことでキレるシーンとか、どっちつかずなウザい感じとか、結局流されやすい感じとかうまかった。

どうでもいいけど、カールがモデルしてる香水、Stora Skugganのファントム ドゥ ムールで驚きました。
たしかにスウェーデンの会社だ。あれいい香りするよな…
ぬ