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聖地には蜘蛛が巣を張るのsnatchのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.7
凄まじかった
以下、中身に触れています






冒頭から容赦無くこの犯罪と
イランの男性優位の社会の檻の中で生きている主人公と貧困層の女性たちが映し出される

前半はその両方の描写に、落ち着かずどうかなりそうだった
首を締め殺す手が娘をあやす
犯人の男の顔が今でもくっきり
この俳優さんの顔、絶対忘れない

殺人鬼は、主人公の女性記者の死すれすれの賭けの末、捕まる

ここからさらに息つかせないもので埋まってくる

法を犯した者の無罪有罪が、一部の人々のイスラム法の解釈によって左右されていく経過が生々しい。思想モンスターが膨れ上がっていく
女性たち皆でこの映画を観て拳をあげなくてはと思ったが、そんな単純なものではなかった

まるで街を清掃する一市民のように自分の行いを自負する犯人。兵士として隣国と戦い生きて戻ってきた男は今は過酷な肉体労働者として家族を養う
彼を変わらずに受け入れてくれる場所がイスラム教の教え

ラスト、実際の事実であるあの判決結果を目撃する
同時に女性記者が見るカメラの映像に何も解決されていないこの続きを目撃し、自分の心は無音になった


前作「ボーダー 二つの世界」は奇抜な映画で驚かされたが、この映画でこの監督の中を貫く支柱を見た
この映画のタイトルは、罠にかかる女性たちのことだと思っていたが、何処の国にもいる型枠に嵌まったがんじがらめの人たちのことだと思った
勿論イランでは撮影出来ず、撮影はヨルダンで。今は、この映画に出演した俳優陣とスタッフ、監督の無事と安全を祈ります


もちろん、イスラム教を生きていく指針とし平和に過ごしている人も国も沢山あります
私は若い頃の旅先でモスクに足を踏み入れた時から🕌あの美しいアラビア文字が大好きでたまりません♡
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