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ゴールデンカムイのminadukiのレビュー・感想・評価

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)
3.0
冒頭、203高地での突撃シーンはカメラ、ワイヤーアクション、カット割とも素晴らしく、スピード感で一気に引き込まれる。

それ以降、全編アクションの連続。
緊張と弛緩のバランスは緊張8に弛緩2割という感じ
個人的な好みは6対4くらい
これが今の観客の好みだと言われればそうなのかもしれない

で、私が興味深く観たのは、弛緩部分
森の中を生き抜くアイヌの生活の知恵、村での暮らしぶりなどなど同じ日本の中の異文化、生活様式の違いを少女・アシリパが日露戦争帰還兵の杉元に教え諭していく

アシリパ役の山田杏奈はもはや子供には見えない
実年齢13〜14くらいの少女が演じていれば男臭い杉元との対比がよりおもしろく見れたのではないかと思った
例えば『レオン』のように

アシリパは杉元を村に招き、杉元はアシリパのうちで一夜を明かす
アシリパの家人に信用された杉元に、祖母はアシリパを嫁にもらってくれと言う(アイヌ語で杉本には通じていない)
夜も更けて、祖母も叔父も気をきかせたようにうちを出てゆき、寝入っているアシリパと杉元の2人きりになる
アシリパを見つめる杉元…
このシーンなどもアシリパを実際に思春期の少女が演じていれば、女性の結婚、婚期の考え方の差異などがはっきりして、もっとおもしろく観れたのではないかしら

他に気になったのは、音楽のレベル 
アクションシーンにかぶるフォルテシモでは音が割れていて聴き苦しく、かえって集中力を欠いてしまった

『るろうに剣心』『鬼滅の刃』と同様、今回は大いなる序章
金塊の奪取を狙う三つ巴の争いをしっかり予感させてくれました
この物語のエンドまであと何本の映画が作られるのかな
一緒に観た全31巻読了の原作ファンは次も楽しみ絶対に見ると満足しておりました
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