KOUSAKA

希望と絶望 その涙を誰も知らないのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

3.5
当時グループのことを何も知らずに見たのにボロ泣きしてしまい、ある意味自分にとってかなり衝撃的な1作だった前作『3年目のデビュー』。

逆に今回は、グループのこともだいぶ分かった上で、何なら前回以上に泣くつもり😆で見に行ったけど、今回はそこまででは無かったです。

まず、コロナという障壁は日向坂固有の問題ではなく、エンターテイメント業界(もちろんそれ以外の業界も含めて)全体に押し寄せた危機なので、どうしても相対化されてしまうという点と、メンバーが心身ともに疲弊していった原因が、単に「仕事の詰め込みすぎ」にしか見えなかったことが、物語としての強度を弱めているように感じました。

実際「君しか勝たん」リリース当時の加藤史帆の疲弊ぶりは、裏側じゃなく「表側」からもはっきり分かるくらいでしたし😣

もちろん、メンバー全員がいつも全力で頑張る姿と、グループとおひさま同士の強固で心豊かな関係性は本当に尊いし、そのこと自体がもはや感動的な「現実」なので、どこをどう切り取っても美しい物語になっていることは間違いありません。

ただ、自分が「判官びいき」なところがあるせいか、ひらがなけやき時代の、まだ何者でもなかったところから自分たちのアイデンティティや存在意義を掴み取っていく『3年目のデビュー』という物語の方が、個人的により一層感動出来たのかもしれません。

ただ、1ファンとして3日間とも配信で見ていたW-KEYAKI FESの時の裏側があんなことになっていたとは衝撃でしたし、そんなことは微塵も感じさせないように彼女たちが全力で頑張ってくれていたんだという、その事実の重みとリスペクトの気持ちが改めて湧き上がってくるという意味で、確かに貴重なドキュメンタリーだと思いました。
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