たりほssk

クリスタル殺人事件のたりほsskのレビュー・感想・評価

クリスタル殺人事件(1980年製作の映画)
3.0
久しぶりのミス・マープル。今回のマープル役はアンジェラ・ランズベリー。これ、やはり昔見ていたジェシカおばさんの事件簿に似ているような…。

ロンドン郊外のセント・メアリー・ミードの町で映画『スコットランドの女王メアリー』の撮影が行われることになり、ハリウッドから主演のマリーナ(エリザベス・テイラー)やその夫で監督のジェイソン(ロック・ハドソン)らがやって来る。しかし、その歓迎パーティの席で殺人事件が発生。地元婦人会のヘザーが飲んだカクテルに毒が入っていたのだ…そしてさっそくミス・マープルの推理が始まった。

なんといってもハリウッドの豪華キャストに目を奪われます。何しろエリザベス・テイラーの存在感が圧倒的で、彼女が画面に現れると他の人がくすんで見えたのは自分だけでしょうか?もちろん茶々をいれるローラ(キム・ノヴァク)やロック・ハドソンもすばらしかったですが。
そしてマープルと言えばそんなきらびやかな俳優たちとは違って地味に堅実に冷静に推理を進めていく。そのギャップが興味深かったです。
結局自分は推理が全く苦手なので、最後まで真犯人が全然わかりませんでした。殺人の動機は思いもよらぬものだと思ったのですが、振り返ってみるとああそうだったのか,そう言えば…と納得。ラスト、推理の謎が解けると共に、マリーナとジェイソンの夫婦愛が描かれていたことにも胸を打たれました。
しかし今この時期にこの映画を放映するというNHKのセンスに驚き。これが意図的なのか偶然なのかわからないけれど、こういう風に現代の社会状況と映画を結びつけることができると、その映画に新しい価値が加わって、新たな解釈ができるようになります。映画の楽しみ方が一つ増えたようでそれはうれしいことでした。
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