こぅ

哀愁の湖のこぅのレビュー・感想・評価

哀愁の湖(1945年製作の映画)
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ジョン・M・スタール監督による遺作で、
【ニューロティック(神経症)・サスペンス】。


若き流行作家、リチャード(コーネル・ワイルド)と結婚したエレン(美ジーン・ティアニー)は、夫を独占しようとするあまり、異常な心理状態に陥る…。


【アカデミー賞 色彩撮影賞を受賞作品】。

・脚本
冒頭、
湖畔に到着する刑期を終えて新妻の元へ船を漕ぎ出すリチャード。
訳ありなジャンル(らしき)は早々に提示し、ミスドもあって、主人公も分かる。
そして語り出す(回想)弁護士、、

2人の出会いから会話にじっくり尺を割いていて一向に進展もしないので若干テンポが悪く、ジャンルはサスペンスだと分かって観ている上で、これはラヴストか⁈と錯覚する。
2人は電撃結婚し、くせ者俳優、ヴィンセント・プライス演じる地方検事で、エレンの男友達、ラッセル・クイントンが登場するも即退場、後のキーマンになる、キャラの伏線は間違いない。

新婚で 2人だけの時間が欲しい のにリチャードは愛情表現も無く無神経で、別荘にエレンの家族をサプライズで呼んだり、リチャードの弟、ダニーがいたりでストレスが溜まってヒステリックなるエレンだが、キャラ的にはおとなしく⤵︎嫉妬の狂気が見えない。
結局、1時間過ぎても何も起こらない、、
エレンのストレスによる、第一殺人。
エレンの妊娠中に仲良くしていた妹、ルースへの嫉妬による、意外な第二殺人、これには 狂気っぷり が見えて良い。

終盤になって
エレンの本性/犯行を悟るリチャードだが、何もモーション起こさない/スルーだったのは不自然。
エレンの意外な行動/復讐へのスタンバイに、やっとエンジン掛かって面白味が出てくる。
クライマックスは、法廷。
ラッセルの出番。
煽りまくるラッセル。
そこからは、前半とは真逆にラストまで一気に畳みかける。

ラストは、
冒頭との繋がりで清々しくは見せているが、個人的には、被害者⁈リチャードに肩入れ/味方出来ないので、モヤった⤵︎


・総評/見どころ
3.5点以上とは過大評価され過ぎだろ!
回想式にしたのなら、これだけは大前提!!
本作一番の 欠点/難点 に挙げたいのが、回想した張本人が見てない/知り得ない事の回想はおかしいしいだろう。
チンタラした前半〜中盤(1時間まで)を切り詰めていれば、テンポも上がって終盤とのバランスも取れた筈。

エレンの 復讐の方法 が本作の 売り で、’90年代のS・シェルダンの小説にもあった。

見どころは、
自然のロケーションも有るが、賞を獲ったテクニカラーの撮影全般(美ジーン含む)が綺麗。
珍しく普通の弁護士役(とは言え、圧は凄かった!)、ヴィンセントの好演(セリフ量)。
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