第二次世界大戦化、ナチスのアウシュヴィッツ強制収容所に政治犯として連行され、そこで行われたボクシングを不屈の闘志で生き抜いた実在のボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキを描いたヒューマンドラマ。
ホロコースト生存者の孫で、本作が長編映画デビュー作であるマチェイ・バルチェフスキ監督、本人も囚人たちの証言やテディ本人の記録を基に伝説を再現。
おそらく相当な脚色を施したとは思うけど、地獄のような収容所の日々を過ごす人々にとって屈強な看守たちを相手に立ち向かうテディが希望の星になったというのは想像に難くない。
そのテディを再現するために極限まで絞り上げた主演のピョートル・グウォヴァツキの肉体とアクションの説得力が半端なかった。
収容所で行われる残虐行為があまりに凄惨。人がいとも簡単に殺される様は当たり前だが何度見ても慣れるものじゃなく、当時の銃の高い発砲音が余計に恐ろしく聴こえる。
そのへん苦手な人は要注意かも…。