こぅ

過去をもつ愛情のこぅのレビュー・感想・評価

過去をもつ愛情(1954年製作の映画)
3.8
【地下室のメロディー】のアンリ・ヴェルヌイユ
監督による【ラブ・サスペンス】。

ピエール(ダニエル・ジェラン)は、ある過去を忘れられず、リスボンに渡って、しがないタクシーの運転手をしていた。ある日、ロンドンから来た船から降りた婦人キャサリン(フランソワーズ・アルヌール)をホテルに送り届ける。彼女は夫を亡くし、孤独を旅で紛らわしていた…。

脚本は、序盤から【衝撃的且つガサツ】な展開。
そのピエールの素性は、包み隠さずで、キャサ
リンの素性は、中盤以降もルイス刑部(トレヴァー
・ハワード)登場でミステリアスにし、最後まで
引っ張っている。

ピエールのキャサリンへのデートのスマートな
誘い方と、2度あるデートシークエンスも良い。

ピエールは、ルイス警部と接触し、キャサリン
よりも執拗に追い込まれ、そのせいで、2人は、、
〜終盤に繋げる展開が良い。

演出(撮影)では、【写る=ダブル】への象徴が、
感じられた。
・車のルームミラー越し。
・ホテルのフロントカウンター越し。
・ホテル内レストランの大きな鏡越し。
また、フランソワーズを綺麗に撮っている。
・アパートでの風呂上がりのセクシーなバスローブ
姿。
・デートの砂浜での水着姿、他。

キャサリン役フランソワーズは、本作の
【エレガントな悪女】という役柄にピッタリだ。

終盤には、キャサリンの口から疑惑の真相が、、。


ラストのキャサリンの意外⁈(でもない)な決断
(行動)が締め(答)になっている。

本作の醍醐味は、キャサリン嬢、ピエール、
ルイス警部の【三つ巴の心理戦】。

それにしても、決してガツガツは来ないがネチネチ
執念深いルイス警部は、最後に◯◯を渡してまで
、、相当な自信があったのだろう。
こぅ

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