ちぇり

呪詛のちぇりのネタバレレビュー・内容・結末

呪詛(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

これはかなり面白い。ホラーとしてめちゃめちゃ怖いだけじゃなくて、映画としてその表現に注目すべき点が数多くある。表象文化論の研究対象としてぴったりすぎる作品な気がする。「祈り」に関する冒頭の語りから人々に今から始まる物語の不気味さを強く印象付ける。呪いを避ける為の呪文、作中サブリミナル効果のように何度も登場するマーク。何度も繰り返し、でもくどくなく、それによって観客にこれらを強く印象づけたのち、最後の最後にその呪文やマークの意味が語られる。ラストの衝撃、まるで私もルオナンの配信をリアルタイムで視聴しているかのようなドキドキ感。物語は常に一人称のカメラによって語られる。俯瞰アングルも、登場人物が手持ちカメラを床や車内、机に置いた状態で撮られている。POV形式の撮影方法で、これによって我々は物語に主体として引き込まれていく。
呪いとか、宗教とか、仏像とか、日本人にとって身近であるからこそより恐怖を感じる。もうこれからお寺とか行って結界はられてる場所見るだけでチビりそう。怖すぎる。「呪詛」の直前に日本ホラーの「来る」を視聴していて、恐怖の形式としては似ているが、「来る」の方がちょくちょく休憩タイム(コメディ色)を挟んでくるのに対して、「呪詛」はずっと怖い。毎秒怖い。完成度高すぎて、これだけ話題になるのも頷ける。ホラーは得意じゃないけど、これは映画として満点。
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