Ryoma

プアン/友だちと呼ばせてのRyomaのレビュー・感想・評価

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)
4.7
劇場で観たかった作品。最高だった。観る者を飽きさせないましてや楽しませワクワクさせてくれる精巧かつスタイリッシュなカメラワーク、画面を彩る色彩豊かな色使い、ロードムービーとしてだけでなくシーンや人物の心情に寄り添った音楽のセンスの良さと多彩さ•ジャンルレスな選曲、タイ🇹🇭の名所や自然の美しい風景の数々、ヒューマンドラマながら先が読めない展開•構成などあらゆる要素が刺さりまくったし感情が揺さぶられ続けた2時間だった。友情の物語であると同時に、“後悔“や“過ち“そして、“赦し“が大きなテーマの物語のように感じた。生きていれば日々、失敗と後悔の連続で、例えばふとした一言や僅かなすれ違いだけで大切な人を傷つけてしまいお互い離れざるを得ないこともあるのかもしれないけれども、死期が迫り自分の人生を振り返ったときに少しでも後悔がない人生だったと思えるように、今持ちうる家族や景色、生活をあたりまえとしてではなく尊いものであると思い生きていけたらいいな。また、蓋をして二度と開けたくない辛く悲しい経験•記憶それもすべて含めて人生なんだと肯定してくれるような素晴らしい作品だった。エンディング曲の『Nobody Knows』は英語版もいいけどシンガーソングライター向井太一さんが歌っておられる日本版も歌詞の意味がストレートに届いて最高だ。聴くたびに涙が溢れそうなほど大切な一曲•一作になった。
本作製作総指揮ウォンカーウァイが関わった他作、そして、本作監督が製作した『バッドジーニアス』もまた観たいな♫
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