ぬーたん

我々の父親のぬーたんのレビュー・感想・評価

我々の父親(2022年製作の映画)
3.5
不妊治療の名医が患者の意向を聞かずに自分の精子を使用していた事件をドキュメンタリーに。この医師はドナルド・クラインという名前。これは事件にもならず裁かれもしなかったが、知らずに育った子供たちにとって、こんなに残酷なことってないね。人生を狂わす行為だ。
『人生、ブラボー!』という映画(後にハリウッドリメイク『人生、サイコー!』)を思い出した。若い頃に精子提供のバイトをしてた男が中年になり子供が情報提供を求めて会いたいと言って来て色々起こるが、最後はホロリとなるヒューマンコメディーで良い映画だった。今作は完全にドキュメンタリーで、ご本人登場だし、録音テープも本物だ。そこには愛情も人間的な感情もなく、ただ恐ろしいばかり。この当時(30年以上前)は技術はまだ確立されてなく、精子提供者の情報も記録してなかったりしてて、真相はなかなか分からない状態だという。しかし、最後まで分からなかったのは、このドナルド、どういう意図があってそうしたんだろう?提供者が不足してたというならともかく、その場の夫の精子を使わなかったのは酷過ぎる。建前でなく本当の気持ちを聞いてみたかった。
面白いのは、そうした被害者である生理的父親が同じ”兄弟姉妹たち”の絆。もちろん多くの中のほんの一部ではあるが、その絆というか団結した姿に逆に、同じ遺伝子を感じてしまった。
自分の精子と信じていたのに本当の子供でなかったと知った父親が不憫過ぎる。
その兄弟の人数は?人生ブラボーの500人超えには及ばないが、検査を受けてない人が多いだろうし、これからも増える可能性もあり、結構な数になりそう。鑑賞後は気持ちがどんより。
※おやつは台湾カステラ。フルーツファクトリーのもの。生クリームをオンして。フワフワで美味しい。
※夕飯は帆立と海老とアスパラのフライ。タルタルソースで。今年もアスパラが甘い。大量に貰ったから何にしようかな?きんぴらごぼう、卵とほうれん草の味噌汁。白菜の柚子漬物。
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