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ハリウッド女優役がサマラウィーヴィングだよ‼️

メキシカンの冴えない駐車係のおじさんがひょんなことからハリウッド女優の彼氏のふりをする話

子持ちのメキシカンのオッサンが主役、ハリウッド女優が相手役、のアンバランスと違和感も慣れてくるとホンワカして来る。全く違うからこそ、逆に本質を互いに掴みやすいのがポイントだ。

そこから芽生える二人の関係のラブコメなんだが、普段はサイコ女優のサマラウィーヴィングとCodaのV先生のエウヘニオデルヴェスが2人ともこれまでとは違った役柄で、既視感なく面白い作品に仕上がっていた。

ほぼノッティング・ヒル系かと思ったが、2人は恋愛してる訳ではないがヒスパニックの大家族やコミュニティが孤独な人気女優を包み込む感じは似てたかも。

2人関係性ははむしろマイインターンのロバートデニーロとアン・ハサウェイの感じかな。

最後のソープオペラみたいなオチも良かったし、結末も予想とは違ったが、これもいいな‼️と思った

映画スターのオリヴィア（サマラ・ウィーヴィング）は不倫スキャンダルを避けるため、居合わせた駐車係のアントニオ（エウヘニオ・デルベス）に恋人役を依頼する。戸惑いつつも相手をするアントニオと彼の家族の歓待を受けるオリヴィアは、それぞれに自分を見つめ直していく。

楽しく観られるラブコメではあるんだけど、残念なことにオリヴィアの魅力が薄かった！
サマラ・ウィーヴィングは雰囲気が鋭すぎてハマれなかったなー。

それに、アントニオの奥さんの別れたい理由が意味不明だったり、終わり方もラブコメとしては行き先がぼんやりしてたような印象だ。

一方で、アントニオの普通のとぼけたおっさんぶりが楽しくて、エウヘニオ・デルベスの演技は絶妙だったし、自転車盗まれたり、駐車係の仲間たちとの掛け合いもかなり笑えた。

2人が信頼関係を築く様子や、みんなが自分の存在価値を見つける流れは気持ちよく、2時間心地良く観てられたかな。

米国の西部、太平洋岸に位置するカリフォルニア州。ロサンゼルス郡のビバリーヒルズ。ハリウッドセレブが多く暮らす全米有数の高級住宅地である。
アントニオはコブラ駐車サービスで運転手として働いている。いつものようにセレブから高級車を預かっては、駐車と出庫をくり返す。
そんなある日。女優のオリヴィアと、富豪のヴィンセントの不倫現場を捕らえたパパラッチの写真に偶然にも写り込んでしまう。
翌日、ヴィンセントの弁護士がやって来て。オリヴィアの恋人を演じ、不倫の隠滅を手伝うよう、依頼されたのだった。

監督は、リチャード・ウォン。
脚本は、ボブ・フィッシャーと、ロブ・グリーンバーグの2人。
2022年公開のロマンティック・コメディです。

2006年公開のフランス映画。フランシス・ヴェベールが監督・脚本を務めた『The Valet』のリメイク作品になります。

【主な登場人物】👪🏽👨‍👩‍👧‍👦👪🏻
［アマンダ］オリビアのマネージャー。
［アントニオ・フローレス］ヴァレット。47才。👔
［イザベル］元妻。
［ヴィンセント・ロイス］億万長者。
［オリヴィア・アラン］ハリウッド女優。うつ病。👗
［カプール］ヴィンセントに雇われた私立探偵。
［キム］大家。韓国系。
［キャスリン・ロイス］ヴィンセントの妻。
［クララ］妹。
［ステグマン］キャサリンに雇われた私立探偵。
［セシリア］母。
［ナタリー］自転車屋の女主人。ショートのウエーブ。
［ハビエル］ヴァレット。オールバックに髭。
［ベニー］ヴァレット。義理の兄弟。
［マルコ］息子。
［ルディ］ヴァレット。七三分け。

【感想】🏢🌴🌴🚗
報酬をもらって女優と恋愛する夢のような話し。
男性向けラブコメ。

〈原作の監督の話し〉📣
悪女にこき使われて、生きている実感を味わいたい男性の願望を映画にするのが得意な人。孤独なのが特徴。
最近のわたしのレビューだと『5時から7時の恋人カンケイ』に非常に近い。

［ヴァレット］🐕
雇用人の付き添いとして働く男性のこと。
召使いや、執事などと同じようなもの。本作だと駐車係の意味合いが強い。

〈大幅な変更〉🔧
作品の個性をより引き出す演出より、
自分たちの色に塗り替えることに重きが置かれたリメイクがほどこされている。

本来は影役。裏から女優を支える男の話し。ジト目で黒髪(できれば前髪も有った方がいい)。根暗で孤独な美青年にぴったりな話しなのだが、
西海岸の強い日差しの下で、ラテンの明るいノリのメキシコ人で大家族。主人公を、広く一般受けするように、普通の中年男性に変更するという、180度違う印象に仕上げてある。

その分、作り手の個性が存分に発揮されるので、中途半端に真似するより面白く、振り切った変更になっている。

〈駐車場係から表舞台へ〉📷️✨
労働欲求の減少。
逆に、友人やマスコミからちやほやされたい承認欲求の増加と、富裕層にドヤ顔でマウントを取りに行く痛い行動など。言語化すると気持ち悪いのだが、実際に映像化されたものは、それほど悪い印象は受けない。
その分、映像の美しさ、笑いの増強、家族の温もりなど、作り手に実力があるので笑って観ていられる。

〈イベントが魅力的に〉💕
泥酔した女性をお持ち帰りする、元妻に嫉妬されるなど、男が喜ぶハーレムネタが追加されている。
ただ、アニメに毒された日本人の感覚からすると、まだ物足りない。元々、取っ散らかった話しなので、もっと削って、恋愛イベント尽くしにしてほしい気持ちはある。

ラブコメではなく、ホームコメディの色が濃くなっていて、彼を好きになったのか、彼の家族を好きになったのかよく分からない話しになっているが「そもそも、その2つって分けられるものではないよね」って深い話しになってしまう。
恋愛と家族について考える切っ掛けをくれた点でも有意義だった。

〈映像が美しく〉🎥
広く整然とした街並み、ボディーが輝く高級車、雑多なアパートの生活感など。引きの絵が多く、見ていて飽きない。
原作がテレビのメロドラマ風で、カメラが近いのに比べると、人を選ばない。
個人的に、男女がイチャイチャする姿をアップで見せられるのが苦手なので、嬉しい変更点。大家族との相性もいい。

〈明るいリメイクに〉🌞
先に述べたように、本来は陰気な主人公向きの話しなのだが、その性質で映画を撮られると、鬱々としたものになるし、のんびりして退屈になりやすいのだが。
本作の場合は、登場人物の数が多くて勢いがあり、明るくて馬鹿ばかしいものになっているので、観ていて健康的。嫌な感じはあまりしなかった。

リメイクのしやすさも大きい。
原作が絶賛されている名作だと、叩かれる可能性が高くて絶望的なのだが、
本作のように良さはあるのだけれど、ちょっと物足りないぐらいの原作であれば、自分たちなりの判断で、だれると感じた部分を削って、笑いを追加するなど、細かく修正してゆけるので、評価を得やすい。

〈笑い〉😄
作り手の本領が発揮される部分。コミカルな場面の数が多く、生きいきしている。あらかた滑り倒しているのだが、時々笑えるし、寒くはないのでいい。
とくに序盤に比べて、中盤以降は素直に笑える場面が多かった。

アントニオの家族が暮らすのは、口の字型のアパート。中庭のある三階建てで、見ているだけで楽しい。映画『レディ・イン・ザ・ウォーター』の舞台を思い出した。

・ビバリーヒルズにメキシコ人を集めて、中国映画を撮ったような多国籍感がある。
・ヴァレットの同僚のハビエルでつい笑ってしまう、と思ったらコメディアンだった。

〈中二病の話し〉🤵🏽
主人公がMr. ビーンのような顔をした還暦の俳優。普通は、可愛い青年にして、女性ファンを獲得しに行くものだが、媚びる気が毛頭ない。
自分たちの分身を主人公にすること前提で作られている。

試練がなにもなく、すべて上手くいく夢のような世界になっている。
性別関係なくモテモテ。仕事で成功し、言いたいことを言っても何故か褒められる。
世界がアントニオを中心に回っている。

ヒロインが印象的。
演じているサマラ・ウィービングは顔が小さくて、目が大きくて、鼻がつんとして。ファッションモデルのように体重を絞っている。
見た目も性格も剥き出しで、全然気取っていなくて。それでいて、終盤になると、しっかり迫力がある。

恋愛がない。
邦題をつけた人すごい。
忙しくて、映画と向かい合う時間がなかったのか。あるいは、ミスリードしたのか。
男女の友情ものであって、最初から恋愛関係になるつもりがまったくない。
ヴァレットのはずが、蓋を開けてみると対等どころか上から目線。横暴な態度をとっても怒られない。

【まとめ】🏖️🌴⛪️🌴
衝撃的でした。
ポスターの男性が、こっちを見ているのが苦手で先延ばしにしていたけど、観てよかった。
ロマンスが大幅に抑えられ、日本のハーレムアニメに、ホームコメディを混ぜたような内容だった。

アントニオみたいなタイプって、わたしの周りにも大勢いるから、感情移入しやすいだろうし、明るい気持ちになれるので、いい映画の部類に入るのは間違いない。

何が衝撃的って、2時間ある映画なのに気づいたら終盤に突入していた。

いまの時代を感じたのか、単に中国系のノリなのか分からないけど、固定観念がくつがえされるようで気持ちよかった。
この手の物語がこれから増えるような気がする。
アントニオに説教されているようで、若干イラっとするのも含めて、身近に感じる映画だった。

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