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ウエスト・サイド物語の10000lyfhのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
3.5
1950年代ニューヨークのストリートでの白人とプエルトリカンのチーム抗争と、民族を超えた悲恋を描いたブロードウェイミュージカルの映画化。ミュージカルについては、民族融和を訴えた社会的メッセージを背景に、ロミジュリ的な純愛と悲劇を、バーンスタインの緻密なスコアが彩って、物語と音楽が一体となり輝く、20世紀アメリカエンタメが産み落とした最高の至宝の一つ。警察のマイノリティへの偏見など、今でも変わっていないこともあるが、アメリカ社会に与えた影響は大きいだろう。本作はその忠実な映画化といえるが、原作の魅力を損なうことなく映画ならではの魅力も盛りこんだ名作。マンハッタンスカイラインを線画化したタイトルから空撮へのオープニング、本作のアイコンでもある非常階段の美しい幾何学模様、赤に溶けこんだり赤や青の蛍光に滲んでゆくトランジション、グラフィティ調のエンドクレディットなど、丁寧なディテールも見所。群舞のダンスシーンは見事だが、男声が独唱合唱ともにイマイチなのが残念
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