せっかくの機会なので、オリジナルのほうもレビューしておこう。
と思ってちょっと調べたら…ずっと知らなかった衝撃の事実、正式タイトルは「ウエストサイドものがたり」なんだね!自分で勝手に「ストーリー」と読んでいただけなんだけれど、ちょっとびっくりした。
初めて見たのは小学生。「サイボーグ009」の002ジェットリンクが好きで、コレが元ネタか!って感動した。悪ガキのグループ名もJETSだしね。話はよくわからなかったけれど、ストリートギャングのカッコ良さというより、アメリカ文化への憧れのほうが強かったような気がする。
彼らの読んでるアメコミがキャプテンマーベルだったことには気づいていなかった笑
ただ、ジョージチャキリスがカッコいいかといえば「ブーべの恋人」なんかの方が魅力的だし、ナタリーウッドも惚れ込むほどの可愛さでもなかった。でも、その躍動感と存在感は半端なく、子供の目にもじゅうぶん素晴らしかったはず。
先日スピルバーグ版をレビューしたらフィル友さんのウシュアイアさんが、「本作の本質はレナードバーンスタインの楽曲」とコメントくださって、目から鱗がポロりんちょ。
確かに!この曲があるから面白い映画だし、この曲が流れれば何でもアリなとこある。なによりすべてが輝いて見える。
指を鳴らしながら歩き、自在にダンス。そして歌。物語なんてどうでも良くなってしまう、その圧倒的なパフォーマンス。
Jet songやAmerica、the Rumbleの畳み掛けるようなカッコ良さは本当に痺れるし、階段に座って♪とぅ〜な〜いって歌うだけでなんでこんなに魂が震えるのん?って考えても、まさしくそれは音楽の力だと言うしかない。
舞台の映画化だから当たり前なのに、この箱庭的な世界も素敵。
印象的なオープニングや、グラフィティをクレジットに見立てたエンドロールを手がけたソールバスのディレクションも世界観の構築に大きく貢献している。
オーバーチュアのワクワク感も、エンディングの余韻も、全部盛りメドレーが流れるからこそと言ってしまえばそれまでだけれど、逆にこの楽曲を用いてどこまで映像世界を膨らませ昇華できるかと考えたときに、やはりこの映画はミュージカルのひとつの到達点と言っても差し支えない。
今年観まくったビートルズもまさしくそうなんだけれど、60年も前にカッコよかったものが、今なおカッコいいって、やっぱりスゴイ。