オレオレ

Jerry & Marge Go Large(原題)のオレオレのレビュー・感想・評価

Jerry & Marge Go Large(原題)(2022年製作の映画)
3.5
リタイアして抜け殻になりつつあった数学好き爺さんが、宝くじルールの抜け穴を見つけ、村のために一肌脱ぐ話、なんだが・・・
結局、この「抜け穴」のルールが分かり切れずモヤモヤ。
説明されるんだけど、数学も統計学もギリギリで通過した私にはさっぱり。「コインの裏表が出る確率は、10回投げるより1,000回投げるほうが50%に近づく」という説明までがなんとかついていけたが、後はチンプンカンプン。
とはいえ、基本的には欲のない年寄りカップルが欲深いハーバード野郎たちを出し抜いてゴールできるのか⁈というコメディなので、手元に電卓不要。

42年勤めあげた工場からリタイアしたジェリー(ブライアン・クランストン)と妻のマージ(ベネット・アニング)。
子供たちからは引退祝いとして釣り用ボートをもらうが、「俺って釣りするっけ・・・」レベルで、早速そのボートを破損させてしまう始末。
これといった趣味もないジェリー、引退後は共通の話題でもっと二人の時間が取れる、と思っていたマージも裏切られた気分。
行きつけのガソリンスタンドで引退後もコーヒーを買うジェリー、そこで売っている宝くじの裏面に書かれているルールをじっくり読むと・・・
抜け穴を証明するのにナプキンの裏に手書きで計算していくジェリー。電卓使わないのスゴイ!というか、手書きでなんかするのがまずスゴイ!
こないだ旅行先から絵葉書数枚書いたのが、2023年最大の手書き文章量じゃないかと思わせる毎日を送っている身からすると、驚愕である。

こっちの宝くじはいろいろ種類があるが、日本のロトとかと同じなのかな?
毎日だか毎週だか当たり番号が発表され、ドンピシャ当選者がいないと当たり金額がどんどん翌日だか翌週だかに持ち越されていき、増えていく。
メガミリオンくじ、現在$33M当たり金額!などというのが高速沿いに広告塔(数字部分がデジタル)で出てたりするが、買い方がよくわからないし、それだけのためにお店に行くのもなあ、と思ってしまってほとんど買ったことがない。
友達が、このジェリー夫妻がやるように、数人のグループで資金をプールしながら毎週買う集団、に参加していたけど、当たっても少額だともらえず、グループが次の週のクジを買う資金に充てられる、とかなんとか言っていた。うーん、説明してわからないものには手を出さない主義なので・・・

とまあ、グループ購入をしていく筋道(最初は4千ドルぶち込むのにドキドキ!)とか、その抜け穴クジを売っている州まで運転していく旅行が二人の共通の趣味になっていくウキウキ感、宝くじマシーンを24/7で稼働させるための投資、ちょっと引っかかりがあった息子との関係の補修など、お約束だが楽しめる。
後半に出てくる見るからに嫌な奴、ハーバードの頭でっかち野郎がジェリーに挑戦してくるが、その退場の仕方なんかはちょっと「お話」すぎて白けるが。
あと、結局、抜け穴の仕組みがわからないから、宝くじを管理する州の機関がその抜け穴を放置していた理由もイマイチわかりづらくて、そこが不完全燃焼だった。

宝くじで大金当てた!って話だが、まず、購入のための毎週の8時間だか10時間だかの運転、小汚いモーテル生活、宝くじを24時間印刷しては当選かどうかを目視など、体力的に負担が大きいし、ハズレ券は国税庁監査のためにすべて取っておかなくてはならないのでそのスペースが必要になるなど、やるなら若いうちかも、と違うポイントから見てしまった。