オレオレ

Dream Scenario(原題)のオレオレのレビュー・感想・評価

Dream Scenario(原題)(2023年製作の映画)
3.0
ニコケイが何のつながりもない人々の夢に現れ始めて・・・という予告大筋とニコケイの禿げオヤジビジュアルに期待値爆上がり。
が、実際見てみると消化不良の感あり、という何とも中途半端な作品だった。
正反対の双子を演じた「アダプテーション」のニコケイに近い奇妙さがあるんだが、ラストがなあ・・・

誰の記憶にも残りそうにない大学教授のポール(ニコケイ)。妻や娘と平凡に暮らしていたが、ある日、自分の教え子の夢に登場していることを知る。
ところがポールは、つながりのある教え子に限らず、見ず知らずのウェイトレスやその他大勢の夢に出てくることが判明し、当然のごとくソーシャルネットワーク上で一大ブームとなる。
これまで耳目を集めることとは無縁だったポール、一躍時の人となり、行く先々でちょっと恥ずかし気かつ自慢気に「俺のこと夢見てる?」と人々に訊ねる表情とか、ニコケイが抜群。
ただ、夢の中のポールが次第に暴力的になり、ノリノリだった世間の反応が一転、ポールを攻撃する。
自分ではコントロールできない他人の夢の中の自分にこれでもか、と苦しめられるポール。家族とも別居することになり、最初から最後まで「なぜ?なぜ?なぜ?」が頭の中でグルグルするポールと我々視聴者。

まあさ、SNSの理不尽さとか変わり身の早さなんかを風刺してあるのかもしれないけど、2024年ではもう正直手垢のついたテーマだし、中途半端なエンディングで消化不良具合が半端ない。
夢を商売にしようとするインチキくさいスタートアップとか、もうちょっと生かしてもよかったのでは?
ニコケイのインタビューを聞いたが、彼にとっては「脚本を読んで即断」した数少ない作品だったらしく、プロデューサーも兼ねている。なもんで、彼の力演は認めるが、「予告大筋」からたいして離れたところに着地しないので、モヤモヤして終わった。

星2.5か3かで迷うところだが、ニコケイのビジュアルに負けて「3」。