オレオレ

アマデウス ディレクターズ・カットのオレオレのレビュー・感想・評価

5.0
3時間越えでも見たいのは、時系列をひねくった科学者モノでも、サウス訛りが違和感バリバリのデ・ニーロやディカプリオでもなく、こういうエンターテインメント傑作なんだよ!
モーツァルトはじめウィーン皇帝までもが全員米語喋っててもいいんだよ!

ということで何度目かの「アマデウス」。20分長いディレクターズ・カットが配信に上がってきたのに気づいて再鑑賞。
いやー、いるわ、カットされた場面(コンスタンツェ&サリエリの確執の元)。

癲狂院(敢えてこう呼びたい)にいるサリエリと神父の会話というオープニングから最後まで怒涛の3時間。
1985年のアカデミー賞総なめだったのもうなずける、無駄のない構成、これでもかという演技合戦、衣装やセットの眼福レベル。
いまや澄ました顔でチョコレートの上に乗っかってるモーツァルトだが、ホントはこういうイカれた若造だったのかも、と思わせられる。
この映画のおかげで私のようなクラシック音痴にも名前が知れ渡ったサリエリだが、彼の不幸は「天才ではなかったこと」だけではなく、「天才を聴き分ける才能を持ってしまったこと」。
ああ、モーツァルトの凄さに気づかなければ!
というのを至る場面で陰に陽にだしてくるサリエリ役のF.マーリー・エイブラハムの凄さったら!

・・・それにしても甘いもんばっかり食ってたな、サリエリ。