オレオレ

サラウンデッドのオレオレのレビュー・感想・評価

サラウンデッド(2023年製作の映画)
2.0
南北戦争が終わって5年、男装して北軍兵士として戦ったモーは自由黒人の地位を得る。
コロラドに約束された自分の地を求めて乗合馬車で西に向かうが、荒野のど真ん中で盗賊に襲われ・・・

という「釣書」に煽られ、スリリングなアクションムービーを想像したんだが、アクションは平たん、なんなら舞台作品を映画化したのか?と思うほど、一本の枯れ木の前でほとんどが進行する。
しかも、「男に化けて」の部分がすぐバレるし魅力になっていない・・・というか、そもそも、男に化けて軍隊生活なんてできる?19世紀に?トイレや着替えなんてどうしてたんだ!
細身で少年のような女優さんではあるが、声がダメで「男装」の真実味がない。普通の女性より声が高い彼女をなんで起用したんだろう?フローレンス・ピューのようなドス声女優、いるだろうに。

なんだかんだで盗賊のおかしらと二人きりで荒野に残されるモー。
保安官を待つ間、見るからに怪しい「農民」やら原住民やら盗賊の仲間やらの恐怖にさらされる。
モーの銃の腕がいいのはわかったが、それだけですべての敵を乗り切るのもつまらない。盗賊のおかしら(ジェイミー・ベル。迫力不足な配役)の女房子供が原住民であること、モーの黒人差別などで無理やり社会性を持たせようとしているのも中途半端。
タイトルの「Surrounded」も、何に囲まれてるの?理不尽?不均衡?

どうせなら、トム・フォード並みに無駄に映像美を追求するとかあったほうがまだよかった。