めしいらず

成功成功/キートンの白日夢のめしいらずのレビュー・感想・評価

2.6
太宰の「東京八景」に”人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも死ぬほど苦しんだ事があります、と言い切れる自覚ではないか”という一文があるが、本作の主人公もそんな風に開き直ってしまえそう。恋人との結婚を彼女の父親から許して貰う為に立身出世を目指し職を転々とするキートンであったけれど、何をやっても悉くものにならない。仕舞いには父親と約束した自死にも失敗して…。何もかもやり尽くしてダメだったなら、そのことすらもプライドにし得る。あとは自分が開き直れるかどうかにかかっている。確かに太宰の言う通り”窮極”ではあるかもしれないけれど…。
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