ノラネコの呑んで観るシネマ

チャーリーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

チャーリー(2022年製作の映画)
4.5
幼い頃に事故で家族を亡くし、以来お一人様人生を生きてる主人公のダルマが、ひょんなことからレトリバーの野良犬と出会う。
最初は拒絶するも、チャップリンのファンのダルマは、チャーリーと名付けて飼い始めるのだが、犬ちゃん効果で人生が変わりはじめる。
ところが、悪徳ブリーダーに無理な交配をさせられた結果生まれたチャーリーは、遺伝子異常から癌を発症。
すでに末期と伝えられたダルマは、チャーリーに雪を見せるため、サイドカーに乗せて旅立つ。
インド映画の常で、この映画も164分もあり、ここから普通の映画一本分のボリュームのある波瀾万丈のロードムービー。
インドは巨大な国だから家のあるインド南部から、雪の見られるヒマラヤまでは3000キロ近くある!
そこを末期癌の犬を連れて、ポンコツサイドカーで旅するのだから、事件にはこと欠かない。
旅を通して一人と一匹の絆はどんどん深まり、それと共に絶対来て欲しくない別離の予感が、すっかりダルマに感情移入している観客の胸を掻きむしる。
最後はまあ、こんなん泣かないわけないやろ。
犬じゃなくても、同じ経験をしてる人は多いだろうし、この映画嫌いという人はまずいないだろう。
動物と人間の絆を描いた愛すべき作品で、ミュージカルは無いけど、音楽性も含めてインド映画らしさはしっかりあるよ。
ところで冒頭の遺影みたいな何枚かの写真は、何の説明も無かったが、なんだったんだろう。