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カラオケ行こ!の06のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.5
すごくよかった……!漫画のシュールな雰囲気を保ちつつも、より青春や学生感が足されていて、大変おもしろく見れた。脚本の野木亜紀子(逃げ恥,重版出来!,MIU404など)がもともと凄く好きで、その意味でも期待してたんだが、見事映画としてまとめ上げていた。


漫画だと最初から名前バレしてたが、映画では、傘の忘れ物、渡した合唱ノート、など段階を踏んで距離が詰められてる様子に笑ってしまった。それに実写になったことで、大阪弁の掛け合いの面白さもぐんと増して伝わってくる。映画部、合唱部での問題など、オリジナル要素が聡実少年の解像度を更に上げていたと思う。

あとファーストショットの、雨で濡れた白シャツに透ける入れ墨。あの演出が凄く印象的で堪らなかった。

そして何より、キャストがいい。
絶妙に歌がヘタなキレイな綾野剛だった……。原作の造形とは微妙に違ってるのに「カラオケ大会に怯えるヤクザ」って荒唐無稽な設定に、見事リアリティを与えてる。距離の詰め方がジゴロ的に上手いのにも笑った。北村一輝の茶目っ気には舌を巻いたし、他のヤクザ連中も愛しくて溜まらない。反対に合唱部の面々は、役者というより本当に現役中学生にしか見えなくて、作られていない学生生活感を安心して見れた。
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