とにかくテンポが良い。それとカラーコントロール。
最近流行りの実写的な映像では無い。アニメという表現を最大限使って、見事な空気感を作っている。少しノイズがのった風景は、版画のようだった。それもまた時代を感じさせて面白い。前半の回想に必ずフィルムノイズが入るのもこだわりだろう。
それと光と影のコントロールが上手い。安易な順光など使わず、きちんと光源を意識していた。本当に、絵と物語がマッチしている。
極端なローアングル、斜めのカットなど、不穏なカットが凝っているのも印象的。いかにも、というアオリがあったりする。
回想も、普通の回想もあれば、白黒、１ポイントに色、など統一せずにこだわりを見せている。多分何らかの法則があるんだろう。
お話は因習村。横溝正史と言われる理由がよく分かる。次から次にアクションが起こって、物語が前に進んでいく。テーマは強いが、それ以上に派手なエンタメだった。
だからか、二人がテーマについて（未来について）や、ただ語っている所は、あんまりおもしろくない。会話の自然さがよいアニメなのに、なんだかそこだけ不自然に浮いていたように思う。
タバコとか葉巻とか折れた歯とか、細かいアイテムの仕草が丁寧なのはとても良かった。印象的なところで風が吹くもよくやっている。
