岩嵜修平

カラオケ行こ!の岩嵜修平のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.3
原作は好きだけど、ビックリするくらい無風だった。山下敦弘監督、近作がほぼハマらないので、早くオリジナル作品を作って欲しい。原作は絵柄も含めてファンタジー性が強い作品だからこそ楽しめたが、マジヤクザが中学生と交流する話を、そのまま楽しめる訳が無いだろう。笑いも弱い。

ヤクザしかり古き街並みしかり、そしてVHSの映画(巻き戻しが出来ないビデオデッキ)しかり、失われつつあるものへの憧憬は原作以上に強まった要素で、失われる美声と重ねて映画として作品を描くに当たって必要なアレンジとも思ったが、記号的な感じもしてしまった。原作の設定だから仕方ないけど…。

キャストは主演の2人を中心に合っていし、好演だとも思ったが、だからこそ、ここまで面白くならないものかと驚いた。脚本 野木亜紀子×監督 山下敦弘のタッグで芳根京子も出演していた「コタキ兄弟と四苦八苦」は好きだったので、やはり、原作にこのチームが合っていなかったのでは。音楽と撮影も…。
岩嵜修平

岩嵜修平