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追想のreifのレビュー・感想・評価

追想(1975年製作の映画)
3.9
久しぶりにフランス映画、エバーグリーン『冒険者たち』のロベール・アンリコ監督作の相伴です。原題 Le Vieux Fusil がとっさにわからなくて絶望(遠い昔、フランス語専攻でした…)。古い銃、かな。占領下の陰鬱たる病院の主人公は医師で、白衣が血まみれ。パルチザンの負傷兵を運び出す独軍協力民兵が不穏。同国民が武装し対立し疑い合う環境を、平和な日本で想像するのが難しい。そうですか戦争映画、と見ていたら舞台が妻子の疎開先の村に移り、ぜんぜん違う話になる。これ、「全てを失ったおっさんの一人復讐映画」でした。最初はよくわからないのですが、「城を持っている」、えーと? 隠し部屋や地下通路がある迷路のような古城を駆使して退却中の独軍を殲滅だ! 断続的に美しい新妻ロミー・シュナイダーと、いまいち可愛くない娘さんとの幸福な記憶がフラッシュバックして悲壮感を盛り上げる。この系譜、他にもあるでしょうね、おっさん復讐映画。悲しく苦く痛快です
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