完全自主制作スタイルの本作が話題を呼んでいる、と何かで知って観てみた。成人雑誌制作の裏側なんて初めて観たから、新鮮で面白かったなぁ。
オシャレなサブカル誌に携わりたくて入った出版社で、男性向け成人誌の編集部に配属された詩織。希望と違いすぎるうえに、よりによっての成人誌。男だらけでオモチャだらけで、とにかく乱雑なその場所が自分の職場になるなんて、人によっては結構メンタルにくると思うけど、詩織はテンション下がりながらも逃げ出さずにいて。そこで格好よく働く先輩女性の姿は、相当励みになっただろうなと思った。
仕事のやり方を教わってダメ出しされまくってた詩織が、ノウハウを後輩に教えるまでに成長してた姿は頼もしくもあり、可笑しくもあり。嬉々としてキャッチコピーを考え、捻りの効いた四文字熟語を生み出していく姿なんて、立派だったよ(笑)
彼らが作るのは成人誌。出版不況が東京オリンピックがコロナが、どんどん彼らを取り巻く状況をシビアにしていたけれど、でも、詩織を始め彼らが口にしていたのは、「面白いものが作りたい」という熱い気持ち。疲弊と衰退の中、それでも結構タフに生きていくんじゃないかなぁと思った。
#10_2023
