ドラマ版からのファンです。
予告編など前情報を観ていて、
イージス艦衝突事故や国家権力との争いなど、かなり攻めている骨太な展開を期待していました。
うーん…
たしかに考えさせられるエピソードも多い。
法律の限界、法律は誰のためにあるのか、産業が少ない小さな町で生きていくということ、生まれ育った大切な町を守るということ、どんな結果であれ真実を追求するということ、暴かなきゃいけないこと、だけど…すべてを明るみにすることが果たして最善なのか。
それでも闇に光を当て、そこから連れ出すことによって結果的には救うことになるということも。
入間みちおの単純で何も考えていないようにいて、静かにひとりしっかり考えている洞察力、理解力、眼差し、被害者や被告に寄り添い、必ずや真実を追求するという想い、語りかける言葉、飄飄としていながら誰よりも人間くさいところもいい。
竹野内豊さんの声、口調もハマっています。
リーガルものの重苦しさを少し緩めてくれるようなコミカルキャラやエピソードも悪くない。
さらに今回の映画版で描かれていることは絵空事ではなく、いつ自分たちの身に起きてもおかしくない。
ふたつの別々の事件が繋がっていくという展開も良い。
骨太になるふたつのテーマを取り扱っているのに、今ひとつ燃焼しきれなかったというか…
嫌いとか退屈とかっていうわけではないんです。
レギュラー陣以外で映画版キャストとして出てくる人間が多すぎて、ひとりひとりのキャラやエピソードの肉付けが薄まってしまっている気がします。
2時間前後に納めなきゃいけないのは分かりますが、広げたものを丁寧に畳んでまとめるというより、広げすぎたために若干急いでとにかくまとめたというような感じも。
本来の題材もレギュラー陣のキャラも映画版キャラもキャストも良いので、もっとじっくり観てみたかった。