PikKa

AIR/エアのPikKaのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
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ナイキ社を代表する看板商品で今も記録的な売り上げと人気を誇るエアジョーダン誕生の裏側に迫った実話映画。

スポーツや有名人に興味のない人でも、その名を一度は耳にしたことがあるであろうバスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダン。

これはまだマイケルがNBAデビュー前の若き新人時代の頃の話。

スクリーンの中に広がり、溢れ出してくる80年代の作り込みの数々に胸が熱くなり、80年代に作られた作品のリバイバル上映を観ているのではないかというほどの馴染みっぷりと懐かしさもあって、幕開けから一気に作品の世界観に引き込まれる。

有名ゆえに展開も分かっているのに、ソニーたちと一緒に一喜一憂するほど、役者たちの演技の深みと凄みに痺れた。

無名時代のプレイを何度も繰り返し見て、他の人が気にも留めていなかったマイケルの細かな動きに注目したソニーの着眼点、バッシュに対するNBAルールを逆手に取った戦略、息子の可能性と未来を信じる母の揺るぎない眼差しと存在感、マイケルが自身の名を冠した商品に合意する意義、選手の労力や功績に対する対価の意識と収益分配によるWIN-WINの関係性の構築…。

スポーツ業界とスポンサー企業の間に新たなビジネスモデルを築いて時代を変えた、小さき者たちの偉大さと各方面や現代に続く影響に胸が熱くなる。

守りに入るのではなく、
攻めていくこと。
前例がないなら作ればいい。
いつ動くか、どう動くか。

JUST DO ITの精神。

今なお世界中で語り継がれる影響力に圧倒される。
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