てる

イチケイのカラスのてるのレビュー・感想・評価

イチケイのカラス(2023年製作の映画)
3.4

変わったテンポの作品で面白かった。ドラマは観てないけど、中々楽しめた。
でもなぁ、なんかチープなんだよなぁ。なんかドラマ感があるんだよなぁ。この違和感ってなんなんだろう。カメラのサイズ感なのかなぁ。ワークなのかなぁ。編集のつなぎなのかなぁ。わかんないけど、どこかチープさがある。

内容も面白いんだけど、なんか世界観が狭い。日本を揺るがすような事件に挑んでいるのに、どこか緊迫感が足りない。それがありすぎるとドラマとの雰囲気が変わりすぎてしまうのかもしれないが、どこか雰囲気が緩い。
向井理が大臣というのもなんだか説得力がない。向井理が役のわりに若すぎる。黒幕には渋味が足りない。
現実味が薄いのだ。それは脚本なのか撮り方なのかわからない。だが、いずれにしろわかるのは、低予算で作品を仕上げようとしていることだ。
テレビドラマならではの考えだ。薄利多売。これはドラマに限ったことではないが、最近は特にその風潮が強い。
なんとか安く仕上げようとしているその製作側の魂胆が見え見えなのだ。だから、画が窮屈そうに見える。本当はもっと広い世界観で撮りたいのに、制約が強くて、妥協しているのが映像に出ている。それを具体的にどうすれば良くなるのかと言われると苦しいのだが、でも、細部に拘っていないように感じてしまう。

もっともっと面白くなりそうなのに、打算の上で成り立っているように見える。それがなんとも悲しい。
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