あぁ、とっても良い映画だった。
好きな人に好きな人が出来たのならそれは喜ばしいこと、っていう佳純の言葉、響いたなぁ。恋愛感情を持たない佳純だからではなく、“別れ”に対する良い捉え方だなと思う。別れることになっても、その時のワタシがその人が与えてくれた喜びで包まれていたなら、引きずるのはその時の喜びで十分なはず。そういう思いは何より自分をラクにしてくれるような気がして、私もそうありたいなと思った。
近年、理解が進み始め生まれたLGBTQという言葉。今はそこから更にアルファベットが増えてIとAが付くようになり、そしてこれらだけではセクシュアリティを包括出来ないために最後にプラス+も付いて、とどんどん多様性を認めようという動きになってはいるけれど、結局は各々の認識の問題だなと思う。
女性同士でいたからレズビアンと決めつけた睦美も、言葉だけ並べ立てる真帆の父親も、所詮は表面上のフリ。分かってる感。佳純が憤り、真帆が声を荒らげたように、フリは相手を傷つける。蘇畑なら大丈夫な気がした、と大事なことを伝えた八代のように、伝えられた佳純のように、安心を与え合う事が出来たなら。それがきっと寛容な社会の在り方なんだろうなと思った。
佳純が真帆の為に弾いたチェロは、とても素敵だった。弾いてる佳純も聴いてる真帆もどちらにも漂う幸せ感。そう、幸せは千差万別なんだ。
#5_2023
