リコリス

PS-1 黄金の河のリコリスのレビュー・感想・評価

PS-1 黄金の河(2022年製作の映画)
4.7
体力気力が落ちてるときはインド映画が最上のクスリ。音楽が素晴らしく、絶対絶対!音響の良い館で見るべき(kikiさんとかインド御用達ピカデリーとか)。

バーフバリ並に面白いのに、あまり話題になってないのは、人物関係が複雑? でもチャーミングで武芸も口も達者な騎士ディーバンの存在が、スルスル物語の展開に没入させてくれる。

美しい黄金のポンニ河、ジャングルに海。隅々まで完璧な宮殿、室内のしつらえ、衣装。そして土着感で目を奪う振り付けながら、自然な流れで物語に織り込まれるダンス。いつもながら安定インド印の高度なアクションに人海戦術。クドいが音楽は必聴(さすがアカデミー作曲賞作家の手腕)

今、1と2両方またぎのお得パンフを手に、2を見る前に見てよいものか、贅沢にも悩む。ほんっ!と、濃すぎる画面から1秒も目が離せず面白かった。ラスト、海中の白髪女性に傾国美女の面影が…(わ〜、因果の伏線?)。

以下、自分のPS−2忘備録と予習なしの方へ参考に。
10世紀のチョーラ王朝(南インド、タミール語圏)は、前王の甥で中継ぎのはずの王が高齢となり、自分の3人の子から、皇太子を指名する。

皇太子・兄は最強武闘派ながら、運命の傾国美女との出会いで生きる意味を失い、首都タンジャイにも戻らず、忘却のために戦闘と領土拡大を続ける。
弟は智将で私欲のない人格者。子供の時、象を乗りこなす言葉を無くしたランカ島(スリランカらしい)白髪の女性に助けられた過去が。
妹は賢く民を第一に考える政治に向いた美女。傾国の美女を
兄から遠ざけ、スンダラ国への復讐鬼に化したのも国を思うゆえ。
兄が滅ぼしたパーンディヤ朝の亡国の民はチョーラ朝の滅亡を狙い暗殺者となる。王の臣下達は傾国の美女を妻とするパルベート候を中心に、前王の子を擁立しようと陰謀を企む。しかし婚姻で王権とも繋がりたく、一枚板では無い。
更にランカ島を支配し続けたいランカ王の思惑。攻撃的なカーリー女神信仰教団や穏健な仏教教団、多神教のヒンドゥー教団の人々が敵味方に入り乱れ、王権争奪に絡んでくる。
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