リコリス

デューン 砂の惑星PART2のリコリスのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.7
1より映像的に、また現実世界の暗喩的なストーリーが、SFモノとしてアタマ8つくらいずば抜けてて、中継ぎ巻であるだけが欠点。(ヒットしたから3、頼みます!)

ナミビア、アブダビの砂漠の、圧倒的質感に色彩。見てるだけで満足。サンドウォーム乗りこなし通過儀礼、フレメンの死者の水神殿などゾクゾクした。ともかくSF好きには、これが映像化(泣)たまりません。

1でも話が比喩に富んでいたが、2も先進国と途上国、植民地支配の歴史的傷、資源を巡る争い、支配する国と民族抑圧、ジェンダーの檻、団結と分断と支配に加担する宗教、先の読めない同盟と裏切りとか、てんこ盛り。感性は映像美と重低音の音楽に、アタマは情報量に圧倒されました。

1と2の間に、見たくない起きてほしくない、大義や正義の名の下の戦争紛争の虐殺と覇権争い。現実世界が更に重なった。砂漠の崖に隠された大量の最終核兵器は、見たくないものを可視化したよう。

リサーン・アルガイブを叫ぶ民の間を歩くポールにRRRを、ハルコンネン家コロシアムにグラディエーターを、大量近代兵器ハルコンネンVS地の理に個の戦闘力・組織力フレメンに中国歴史映画を、などなど既視感ある場面もあるが。

自由か戦乱の多大な犠牲者か。闘いの最後は精神力。自分が覚醒(というか使命に生きる道)を選ばなければならず、覚醒により失う愛(ある意味、陰謀ベネ・ゲセリットや、狂信スティルガーらより、覚醒してるチャニとイルーラン)。シャラメの俳優としての成長が、ちょうど1から2に重なってもいて。(個人的には1のチャン・チェン、2ならジョシュ・ブローリンだけど)。

映画館で見なきゃダメな稀有な映画的意義のある映画。パンフ秀逸必買い。
またIMAXは周囲にポップコーン食べる人、マスクなしで咳する人(仕方ないが)、天井低めスクリーンの場合、ドルビーなど音響良い通常シネコンの大画面のほうが没入出来る(と断定!)
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