想像以上に良かった。前作を超えている。
タイ・ウェストという人の映画愛がこれ以上なく伝わるし、ミア・ゴスは最高すぎるし、これ以上なく悲惨で陰惨な映画なのに、観ていて幸せでした。
後半のバストショットで一人語りする長回しなんて、本来なら大失敗になりそうなのに、ずっと見てられるあたり、ミア・ゴスはただものではない。この映画のために表情筋の筋トレをしたの?というほど、その引き攣った笑顔は忘れられない。夢に出てきそうだ。
よく分からんけど、前作「X」は1970年代のハードコアポルノ勃興期がモチーフで、本作には1910年代以降のいわゆる「ブルーフィルム」が登場しているなら、次回作は80年代のポルノがフィルムからビデオに移行する時代を扱うのかな?だとしたらこれは、アメリカのポルノの歴史と切ない愛、女性の自立を、血塗られた暴力を交えて描いた、ユニークな三部作になるのかもしれない。