パピヨン

熊は、いない/ノー・ベアーズのパピヨンのレビュー・感想・評価

3.9
「君は行く先を知らない」のパナー·パナヒ監督のお父上である、巨匠ジャファル·パナヒ監督の作品です。監督自身が脚本·製作·主演を努めた社会派というスタイルは既に定着している様ですね。
パナヒ監督は偽造パスポートを使い国外逃亡を画策している若いカップルを主人公に、ドキュメンタリー映画を撮影するためイラン国境のへんぴな村からリモートでスタッフに指示を出しています。また滞在しているその村では、古い慣習のため愛し合うことが許されないカップルをめぐり悲劇が待ち受けているのです。ここに脚本上の比較が構築されているのでしょうか?
何とも言い難い閉塞感と得体の知れない敵「熊」を相手に、パナヒ監督親子の闘いは続いているようですね。「イラン·イスラム共和国」(正式名称)は有数の産油国であり、広大な国土と8300万人程の国民が暮らす強国です。宗教上の最高指導者が国の最高権力者であり、大統領の地位はこれに劣るそうです。自ずと政府は権威主義的となり、人権も自由もあったもんじゃありません。国民は厳しい制約と侵害に、報道や表現も自由度は社会主義国並みだそうで、まるで「独裁政治体制」と言うことらしいです。私たちに出来ることはパナヒ監督親子の新作映画を求めて、映画館に足を運ぶことでしょうか。
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