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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-のsanbonのレビュー・感想・評価

3.6
キャスティングだけは本当によくやってる。

原作のビジュアルがあまり実写表現向きではないので、下手をしたらコスプレ大会になってしまいがちなところを、今作は忠実に原作再現をしつつも現実味も持たせるビジュアルメイキングを両立させており、それを演じる俳優選びも中々ドンピシャに的確である。

特に「マイキー」「ドラケン」あたりは、人選を誤っていれば今とのクオリティにはだいぶ差が生じていた事だろう。

ところで肝心の内容に関してだが、今作は前後編の前編にあたるから、評価が下振れるのはある程度仕方のない部分ではあるのだが、それを差し引いたとしてもあんまり良くない。

何故かというと、"山場"と呼べる展開を今作に対して盛り込めていないからだ。

そのせいで単体での満足感としては、絶対的に物足りなさが残るクオリティに落ち着いてしまった。

ましてや「東京リベンジャーズ」の特質として、"主人公が活躍をしない"というのがあるが(勝手に思ってるだけ)、これがあるから尚の事今作の鑑賞だけでは消化不良感がより一層否めない。

また、原作はこのエピソードから露骨に"人格破綻者"が現れはじめる。

その筆頭が「一虎」と「場地」だ。

この2人が、あまりに理解不可能な思考回路の持ち主な為、物語に頭が追い付かない。

特に過去の回想にて、それがそうなると、こうなって、結果ああなってしまうというフローチャートが、あまりにもまともではない展開を迎えるうえに加害性は100%で、それが今も続く因縁として描かれるという胸糞な事態には、観てるこちらとしても納得感は一切得られないのだが、異常者の心理を"正常に"理解する術は無い事と、事実逆恨みとは理不尽かつ不条理なものと諭されてしまうと、こちらとしてもなまじそう易々と否定が出来ない。

要するに、こちら側の「そんな訳あるかい!」というツッコミすら、この狂気じみたキャラクターの前では封じざるを得ないのだ。

なので、それも踏まえてもかなりフラストレーションが溜まるストーリーラインとなっているのだが、それが後編にあたる次回作で救済されるのかと言われるとうーん…という感じだし。

そういう意味でも、本当に「タケミッチー」ってなんもしてないんだよなぁ。

それでも何故か成り上がるんだけど。

本当に、何がそこまで人気になったのか?
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