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ボーンズ アンド オールのmiiのネタバレレビュー・内容・結末

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

18歳のマレン(テイラー・ラッセル)がリー(ティモシー・シャラメ)と出会い
アメリカを横断するロードムービー。
車で音楽を流しながら景色を楽しむ様は さながら旅を満喫しているようで
とても人を喰う物語には見えないけれど
彼らはカニバリズム。
マレンが母親に会いに行く道中で出会う 同類の者たち。
匂いで分かるらしい。

マーク・ライアンスのあの独特の喋りが怪しい雰囲気を醸し出していて
サリーがいい味してたな。
白ブリーフ一枚の姿の披露は あっぱれ。

作中の人肉を食べる音が かなりグロテスクです。

カニバリズムではない人間が一緒につるんでいるのは
ぞっとするね。
人喰いが実際いるのかどうかは分からないけど
サディスティックな様を見て喜ぶ人種は この世の中には居るだろうから。

彼らは衝動を抑えられなくなり 人肉を食べてしまうのだから
家族とは居られなくなり 家出をして放浪する事になる。
孤独。

こんな自分に生まれてきてしまった···
マイノリティの生きづらさの苦悩として描かれており
社会に居場所がない孤独感に支配されているけれど
同じ宿命を持った2人が分かり合える居場所を掴んだ
純愛物語です。

2人を見ていて 理解してくれる人の存在が如何に大切かが伝わってくる。
それが叶わなかったのが サリーの孤独感。
それ故に ラストは悲しい結末が待っているのだけど。

あれはリーなりの マレンへの愛。
凄惨な現場を残したら その後の彼女の身が危険な事を危ぶむ気持ちと
自分のすべてを彼女に捧げるという
「BONES AND ALL(骨まで食べ尽くす)」

マレンの母親(彼女もカニバリズム)が彼女を殺そうとしたのも
苦しみを終わらせてあげようとした彼女なりの愛。

常人にはできない究極の愛だと思う。
mii

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