“コミックの画がそのまま動き出したような”という事を改めて言いたくなるようなビジュアルはスムーズだが、敢えてクレイアニメのような独特なフレームのカクツキがかえって「らしさ」を醸し出しており、実に“違和感のある不思議なリアリティ”なのがイイ。
各主役キャラクターも往年の設定よりも「ティーン色」を強め、より個性も明確にしている点は展開に彩りを与え、「はみ出し者」には生きづらい世の中という現代社会の問題をシリアスにならずに描く語り口は痛快。
ただ、“負”の役割を1人で背負い込むカタチになってしまったスーパーフライには凄く複雑な気持ちにもなるし、クライマックスでのご都合よろしい流れも些かムムム…とはなる、が、やはり全体のポジティブなムードや気持ち良いアクション、会話のテンポ、90年代HIPHOPを中心としたゴキゲンなサウンド含めた諸々がキモチ良く、全て許せてしまうのだ(個人の感想です)。
正直ここまでの多幸感を得た作品は久々でした。もちろんホント個人差があるので絶対的に万人にオススメ、というワケではないですが、色々な要素が自分の感性とバチッとハマった感覚があったのは確か。
随所に挟む小ネタも適度なマニアックさで何度も見返したいなと思った次第。
そして、なんか、疲れてるんスかね、あまりに楽しくてちょっと泣きそうになりました。
